2026年度の入試は「サンデーショック」と呼ばれる日程変動の年です。2月1日が日曜日にあたるため、宗教上の理由で入試日をずらす私立(とくにプロテスタント系)中学校が出てきます。
この「1日→2日」の"玉突き移動"は、併願パターンや受験の流れを大きく変える可能性があります。
そこで本記事では、サンデーショックがどう受験に影響するのか、保護者が事前に確認しておきたい点、実際の出願・当日の対応・併願戦略の組み方まで、最新情報と具体的な対策を紹介します。
※本記事の情報は2025年9月15日時点のものです。最新情報は各学校の公式サイトで必ずご確認ください。
- サンデーショックとは?
- サンデーショックの年に保護者が確認すべき3つのポイント
- ①志望校の公式発表を定期的にチェックする
- ②併願パターンを「複数パターン」つくる
- ③模試・直前講習の予定調整
- サンデーショックで起きやすいトラブルと具体的対処法
- 出願日・会場の混雑・交通(移動による混雑対策)
- 受験料・合否発表スケジュールの確認(返金・再出願のルール)
- 当日の子どものメンタルケア(受験経験の少ない保護者向け)
- サンデーショックによる志望校ごとの影響の受けやすさ
- 女子校・プロテスタント系:影響大
- カトリック系・男子校・共学校:影響は学校によって異なる
- 併願戦略の具体例
- ケース①第一志望が移動してチャンスが生まれるパターン
- ケース②複数校が移動して"激戦"が発生するパターン
- 保護者がやるべきこと|学校や塾との連携
- 塾からの情報を最大活用する
- 学校事務室への確認項目
- 保護者向けチェックリスト
- サンデーショックは受験の流れを大きく変える可能性あり!保護者の対策が必須
サンデーショックとは?
サンデーショックとは、2026年度入試の2月1日が日曜日にあたるため、礼拝など宗教行事を優先する学校が入試日を別日に移すことで、複数校の日程がずれる現象です。とくに首都圏で影響が大きく、プロテスタント系の学校が主に日程調整をおこないます。
既に一部の学校が入試日を移動すると発表しており、これにより、例年と異なる併願パターンや受験生の集中が起きることが想定されます。
プロテスタント系の学校は安息日である日曜日を重要視するため、入試日を月曜日の2月2日以降に変更するケースが多く見られます(※)。
このような日程変更は、受験生や保護者にとって大きな影響をもたらします。過去のサンデーショック年を振り返ると、多くの学校で日程変更がおこなわれ、受験生の出願パターンが大きく変化しました。
とくに人気校同士の試験日が重なることで、思わぬ併願機会が生まれたり、反対に競争が激化したりする事例がありました。
※日程変更しない学校もあるため、各学校の公式サイトで最新情報を確認してください。
サンデーショックの年に保護者が確認すべき3つのポイント
サンデーショック年の受験では、例年以上に綿密な情報収集と準備が必要です。保護者がまず押さえるべき3つの重要なポイントを詳しく解説します。
①志望校の公式発表を定期的にチェックする
学校要項(募集要項)は6〜9月頃に出ますが、サンデーショックの年は要項の変更や追記が発生します。志望校の公式サイト、学校説明会の案内、及び塾が出す速報ページをこまめに確認しましょう。公式発表が最優先です。
多くの学校では、募集要項の発表後も「入試日程に関する重要なお知らせ」として追加情報を公開する場合があります。メール配信サービスに登録している場合は、設定を確認して重要な通知を見逃さないよう注意してください。
とくに第一志望校については、月に2〜3回は公式サイトをチェックし、変更があった際はすぐに併願戦略に反映させることが大切です。また、学校説明会や個別相談会でも、入試日程に関する最新情報を直接確認することをおすすめします。
②併願パターンを「複数パターン」つくる
例年の併願スケジュールが通用しないことがあるため、併願候補ごとに最低3パターンのスケジュール案(第一志望合格時/第一志望不合格での切り替え)をつくっておくと安心です。とくに女子校は日程が動く可能性が高いので、柔軟に併願パターンを組んでおきましょう。
具体的には、Aパターン(理想的な併願)、Bパターン(日程変更時の対応)、Cパターン(安全校重視)の3つを用意すると安心です。それぞれのパターンで、出願料の総額や移動時間、お子さんの体力面も考慮して無理のないスケジュールを組むことが重要です。
なお、併願パターンを検討する際は、過去のサンデーショック年のデータも参考になります。学校や塾の先生と相談しながら、志望校の偏差値帯や地域性を踏まえた現実的なプランを立てましょう。
③模試・直前講習の予定調整
模試受験日や直前対策講座が本番日と被らないか事前に確認をしてください。万が一、志望校の試験日が移動した場合の欠席ルールや代替対応(振替模試など)を塾に確認しておきましょう。
大手塾では、サンデーショック年にあわせて模試スケジュールの調整や、直前講習の追加開催をおこなう場合があります。早めに年間スケジュールを把握し、重要な模試と入試日が重複しないよう計画を立てることが大切です。
もし重複が避けられない場合は、振替受験の手続きや、模試結果の活用方法について事前に相談しておくと安心です。
サンデーショックで起きやすいトラブルと具体的対処法
サンデーショックの年では、例年と異なる状況により思わぬトラブルが発生することがあります。事前に想定される問題とその対処法を知っておくことで、冷静に対応できます。
出願日・会場の混雑・交通(移動による混雑対策)
試験日が1日から2日に移ると、受験生の重なりで会場・公共交通機関の混雑が想定されます。当日は余裕をもった移動プラン、交通手段の代替案(タクシー、早めの出発、保護者の送迎)を準備しましょう。事前に会場周辺の駐車場や駅の混雑具合を確認しておくと安心です。
とくに人気の高い試験会場周辺では、例年以上の混雑が予想されます。最寄り駅から会場までのルートを複数確認し、歩行者専用道路や迂回路も把握しておきましょう。また、悪天候時の対応も含めて、時間に余裕をもったスケジュールを組むことが重要です。
保護者の方が送迎する場合は、会場周辺の交通規制や駐車場の予約状況も事前に調べておくことをおすすめします。
受験料・合否発表スケジュールの確認(返金・再出願のルール)
日程変更による出願締め切りや試験回の扱い(振替扱い・再出願の可否)は学校によって異なります。出願前に「日程変更時の出願規程」「欠席時の判定方法」「受験料の返金規程」を募集要項で確かめ、わからなければ事務室へ問い合わせましょう。
とくに複数回入試を実施する学校では、日程変更により試験回の統合や分割がおこなわれる場合があります。第一回入試と第二回入試の扱いが変わることで、併願戦略にも影響が出る可能性があります。
インターネット出願システムを利用する学校では、システム上での日程変更対応方法も確認しておくと安心です。
当日の子どものメンタルケア(受験経験の少ない保護者向け)
スケジュールの急変は子どもにストレスを与えます。変更が発表されたら、事前に「何が変わったか」をわかりやすく伝え、当日の流れや持ち物をリストアップして不安を減らしましょう。模試での「日延べ対応」を一度家で練習しておくのも有効です。
お子さんには「予定が変わることは珍しいことではない」ということを伝え、柔軟に対応できる心構えをもたせることが大切です。また、日程変更により生じる空き時間の有効活用方法も一緒に考えておくとよいでしょう。
家庭内でのコミュニケーションを密にし、お子さんの不安や疑問にはしっかりと耳を傾け、一緒に解決策を見つけていく姿勢を示すことが重要です。
サンデーショックによる志望校ごとの影響の受けやすさ
学校の宗教的背景や教育方針により、サンデーショックの影響度は大きく異なります。志望校のタイプ別に影響の程度を把握しておきましょう。
女子校・プロテスタント系:影響大
プロテスタント系の学校は礼拝・安息日を尊重し、日曜入試を避ける傾向があります。こうした学校が日程をずらすと、例年同日だった人気校との重複や逆に併願のチャンスが生まれることもあります。志望校が該当するか、公式発表を早めに確認しましょう。
プロテスタント系の女子校では、とくに顕著な日程変更が予想されます。これらの学校は教育理念として宗教的価値観を重視するため、日曜日の入試実施を避ける傾向が強いです。
過去のサンデーショック年では、多くのプロテスタント系女子校が月曜日の2月2日に試験日を移動させました。これにより、例年とは異なる併願パターンが可能になったケースもあります。
カトリック系・男子校・共学校:影響は学校によって異なる
カトリック系は対応が分かれるケースがあり、男子校では変動が少ない傾向もあります(※例外あり)。共学校は女子校の動きにあわせて間接的に影響を受けることがあります。過去の移動実績や学校の公式コメントを確認するようにしましょう。
カトリック系の学校は、プロテスタント系ほど日曜日を厳格に避けるわけではありませんが、学校の方針により対応が分かれます。一部の学校では、受験生への配慮から日程を調整する場合もあります。
男子校については、宗教的背景よりも受験生の利便性を優先する傾向があり、大幅な日程変更は比較的少ないとされています。ただし、近隣の女子校の動向により間接的な影響を受ける可能性があります。
併願戦略の具体例
実際のケースを想定した併願戦略を検討することで、サンデーショックによる変化に柔軟に対応できます。
ケース①第一志望が移動してチャンスが生まれるパターン
【例:例年2/1にA校・B校が被っていたが、A校が2/2に移動】
これにより、A校(2/2)+B校(2/1)の併願が可能となり、戦略的に受験機会が増える場合があります。過去のサンデーショック年の併願パターン変化を参考に、学校や塾の先生と複数シミュレーションをしましょう。
このような状況では、両校を受験できる絶好の機会となります。ただし、A校が2/2に移動することで、その日の競争率が変化する可能性も考慮する必要があります。
併願戦略を立てる際は、単に受験機会が増えるだけでなく、お子さんの体力面や精神面への負担も考慮することが重要です。
ケース②複数校が移動して"激戦"が発生するパターン
一方、複数校が2/2(または2/1)に集中すると、その日の倍率が上がり合格率が変動することがあります。候補校の入試日の志願者動向・過去データをチェックして、安全校をひとつ入れておくと保険になります。
このパターンでは、人気校同士が同日に重なることで、受験生の選択が厳しくなります。第一志望校を優先するか、合格可能性の高い学校を選ぶか、慎重な判断が求められます。
安全校の設定は、偏差値だけでなく、お子さんとの相性や通学の利便性も含めて総合的に検討することが大切です。
保護者がやるべきこと|学校や塾との連携
サンデーショック年を乗り切るためには、学校や塾との密な連携が欠かせません。効果的な情報収集と活用方法を確認しておきましょう。
塾からの情報を最大活用する
大手塾は「サンデーショック年」の特設ページや速報メールを出します。情報は早めに集め、模試の偏差値の「当日の競合相手」の変化に注目しましょう。塾に志望校別の想定スケジュールをつくってもらうと安心です。
塾では過去のサンデーショック年のデータを基に、詳細な分析をおこなっています。志望校の偏差値帯における受験生の動向や、日程変更による影響度の予測など、貴重な情報を得ることができます。
定期的に塾の先生と面談をおこない、最新の情報を共有してもらいながら、併願戦略の調整をおこなうことをおすすめします。
学校事務室への確認項目
「日程変更があった場合の出願取扱いはどうなりますか?」「当日欠席時の扱いは?」「会場・入室時間に変更はありますか?」といった要点をあらかじめメールで問い合わせ、回答を保存しておくことをおすすめします。
学校への問い合わせは、電話よりもメールを活用することで、回答内容を記録として残すことができます。とくに受験料の扱いや、出願後の日程変更への対応については、明確な回答を得ておくことが重要です。
問い合わせの際は、お子さんの受験番号や志望する入試回を明記し、具体的な質問をすることで、的確な回答を得やすくなります。
保護者向けチェックリスト
- 志望校の募集要項(最新版)確認:〇月〇日
- 入試日変更の有無:あり / なし (※あれば詳細を書く)
- 出願締切・追加試験の有無:確認済 / 未確認
- 交通手段の代替プラン:用意済 / 未用意
- 模試・直前講習のスケジュール重複:あり / なし
このチェックリストを定期的に見直し、最新の状況を把握しておくことで、重要な情報の見落としを防ぐことができます。家族全員で情報を共有し、お子さんも含めて現状を把握しておくことが大切です。
サンデーショックは受験の流れを大きく変える可能性あり!保護者の対策が必須
2026年度のサンデーショックは、受験生と保護者にとって大きな変化をもたらす可能性があります。しかし、適切な準備と情報収集をおこなうことで、この変化をチャンスに変えることも可能です。
早めの情報収集と柔軟な戦略立案により、お子さんの受験を成功に導きましょう。不安なことがあれば、遠慮なく学校や塾に相談し、万全の体制で受験当日を迎えられるよう準備を進めてください。
- 志望校の公式サイトで募集要項を確認する(とくに「日程」「欠席時の扱い」)
- 併願プランを最低3パターン用意する
- 塾と日程変更時の模試・講座の扱いを確認する
- 当日の交通手段と連絡手段の代替プランをつくる
- 子どものメンタル対策(事前準備で不安を減らす)
この記事の編集者
- 中山 朋子
Ameba学校探し 編集者
幼少期からピアノ、書道、そろばん、テニス、英会話、塾と習い事の日々を送る。地方の高校から都内の大学に進学し、卒業後は出版社に勤務。ワーキングホリデーを利用して渡仏後、ILPGAに進学し、Phonétiqueについて学ぶ。帰国後は広告代理店勤務を経て、再びメディア業界に。高校受験を控える子を持つ親として、「Ameba学校探し」では保護者目線の有益な情報をお届けする記事づくりを目指しています。